プログラミング不要!Googleスプレッドシートに新登場した 「AI関数」の活用術

AI_Function

もはや常識?プログラミング知識ゼロで実現する、業務自動化の新しいカタチ

こんにちは。毎日放送の中です。

突然ですが、皆さんはGoogleスプレッドシートで使える「AI関数」をご存知でしょうか?

もしかしたら、すでにご存知の方も多いかもしれませんが、「AI関数」は今年スプレッドシート界に颯爽と現れた超便利関数なんです!

本日は、この「AI関数」の魅力と実際の活用方法についてお伝えしたいと思います。

その前に、すこーしだけ自慢を挟みますと、弊社でAI関数を使用した私の事例が、今年5月に開催されたGoogle Workspace事例コンテスト2025にて、優秀賞とオーディエンス賞をいただくことができましたので、あわせてご報告させてください!

後日、Google Workspace事例コンテスト2025に関するブログも投稿する予定ですので、お時間があるときにこちらもぜひご覧いただけたら嬉しいです。

話題の新機能!「AI関数」って一体なに?

さて、先ほど「超便利」とご紹介しましたが、「AI関数」とは、その名の通りスプレッドシートのセルの中で直接AIを呼び出せる関数のことです。
なんだか魔法の呪文みたいですよね…

これまでも、Google Apps Script(GAS)というプログラミング言語を使えば、スプレッドシート上でAI(例えばGemini API)を動かすことは可能でした。

しかし、それにはプログラミングの知識が必要で、AIへの指示(プロンプト)をほんの少し変えたいというだけでも、開発者がわざわざコードを修正し、再度デプロイする必要がありました。

(心の中で「ちょっと面倒なんだよな…」と思っていた同志の方、きっといらっしゃいますよね…?)

ですが、AI関数を使えば、そんな手間は一切不要になります!!!

使い方はSUM関数やVLOOKUP関数などと同じで至ってシンプル。
=AI(“AIへのお願いごと”, 対象のセル範囲) と入力するだけです。

このAI関数の最大のメリットは、プログラミングの知識がない現場の担当者でも、プロンプトを自由自在に、かつ即座に変更できることです!

「あ、やっぱりここはもっとキャッチーな方がいいな!」と思いついたら、その場ですぐに試して結果を確認できるので、圧倒的なスピード感で改善のサイクルを回せます!

報道の現場が変わる!毎日放送でのAI関数活用事例

では、実際にこのAI関数をどのように業務で活用しているのか、弊社の事例をご紹介します。

課題:1分1秒を争うニュースの裏側

放送局の報道情報部門では、日々の出来事を迅速かつ正確に取材し、ニュースとして視聴者の皆さんに提供することが使命です。

中でも、WEBニュースは競争が激しく、他より1秒でも早く正確な情報を発信することが非常に重要な要素となります。

これまでは、事件や事故が起きると、警察署や現場の記者から送られてきた資料を別の記者が読み解き、一から手作業でニュース原稿を作成していました。

しかしながら、この方法では、どうしても原稿の作成に時間がかかってしまい、特に事件・事故が立て続けに発生した日には、原稿作成の負担が膨大になるという課題がありました…

解決策:AI関数で原稿の「下書き」を自動生成!

そこで今回考案したのが、AI関数を活用した「ニュース原稿の自動生成」です!

スプレッドシートに整理された情報(発生場所、日時、内容など)を基に、AI関数がニュース原稿の「下書き」を瞬時に生成します。

こちらが実際の使用イメージです。

C列からF列にある事件・事故の情報を基にして、G列のセルに=AI(…)と関数を入力するだけで、あっという間に見出し、リード文、本文で構成されたニュース原稿案が作成されます。

この仕組みの素晴らしい点は、現場の記者が直接プロンプトを編集できることにあります。

例えば、「もっと衝撃的な見出しにして!」「リード文は結論から書いて!」といった要望も、セルの数式を少し修正するだけで即座に反映できるので、開発者に都度修正を依頼する必要はありません!

「AI関数」が拓く、これからの働き方

AI関数の登場は、単なるツールの一つというだけでなく、開発者と現場の垣根をなくし、誰もが業務改善の担い手になれる可能性を示すものだと思います。

今後は、この仕組みをさらに発展させ、原稿生成の高度化や品質向上を目指すとともに、報道業務全体のDX化を推進していきたいと考えています。

…と、ここで一つ、改めて皆さんにきちんとお伝えしておきたいことがあります。

今回、「ニュース原稿の自動生成」とご紹介してきましたが、弊社ではあくまで原稿の下書きを生成するのみに留めています。

AIが書いた原稿をそのまま発信!なんてことは決してなく、記者が必ず人間の目で厳しくチェックし、正しい情報であることを確認してから皆さまへとお届けしております。
この点だけ、どうか誤解なきようお願いいたします。

AIの特性をしっかり理解し、人間がうまく手綱を握ってあげることで、AIは最高のパートナーになります。

皆さんもぜひ、この「AI関数」を使って、日々の業務をちょっと便利にしてみてはいかがでしょうか?

Previous Post