【MBSハッカソン2026】AWS「Kiro」を活用して解説放送制作支援アプリを開発しました!
皆さん、こんにちは!
先月、MBSの技術系社員を対象とした「MBSハッカソン2026」を2日間にわたり開催しました!今回は、私自身も一人の参加者としてチームで開発した「解説放送制作支援アプリ」と、そこで得られたAIコーディングの知見についてご紹介します。
MBSハッカソン2026の概要
今年のハッカソンのメインテーマは「生成AIを活用した開発」、なかでもAWSの「Kiro」を用いることです。 開発するシステムは、業務効率化や新しい演出手法の提案など何でもOK。2日間という限られた時間でのハッカソンだったため、大きな狙いはアプリの完全な完成よりも開発業務を普段していない人でもアイデアを形にするべくシステム構築のプロセスを体験することにありました。
Kiroとは?
Kiroは、AWSが開発したAI搭載の統合開発環境(IDE)です。 自然言語による要件入力から、設計書の作成、コード生成、テストまでを一貫して自動化する「仕様駆動開発(Spec-Driven Development)」を最大の特徴としています。プロトタイプから本番環境までをシームレスに繋ぎ、開発を効率化する次世代ツールです。 名前の由来は日本語の「岐路」。昨今話題の「Vibe Coding(ノリでコーディング)」の枠を超え、より構造化された開発を目指しています。KiroにはVibeモードとSpecモードという2つのモードがあり選択したうえで開発を進められます。Vibeモードでは自然言語でKiroと対話しながらアイデアを素早く形にすることができます。一方でSpecモードでは要件収集→設計→実装のワークフローを段階的に進め、体系的にアプリを構築します。この2つのモードを駆使しながら開発を進めていきました。
開発したシステムについて
様々なアイデアが出る中、私たちのチームは「解説放送制作支援アプリ」の開発に取り組みました。
皆さんは「解説放送」をご存じでしょうか? 視覚に障害がある方や、画面を見ずに「ながら視聴」をしている方に向けて、場面の状況や登場人物の動きなどの映像情報を音声で補足するサービス(副音声など)です。
現在、この解説放送の制作には多くの労力がかかっています。
- 担当者が番組を最初から最後まで視聴して内容を把握する
- 解説が必要な箇所(無音区間や場面転換)を抽出する
- 映像に合わせた解説原稿を作成する
- ナレーターによる収録・編集を経て完成(完パケ)
私たちは、この「2. 抽出」と「3. 原稿作成」のプロセスをシステムで補助できないかと思い、本システムを開発しました。
完成したアプリの概要としては動画をアップロードすると、場面変わりの箇所やナレーションを入れるのに適切な無声区間を検知して表示し、メモを残すことができるというものです。それぞれの区間では画面転換時のスナップショットとタイムコードも表示されるため、より効率的なナレーション原稿の制作が可能となります。その他にも音声の文字起こし結果が各セクションで表示されるようになっております。
これにより、制作者が動画を何度も見返す手間を省き、より効率的でスムーズな解説原稿の制作をサポートします。
AIコーディングによるシステム開発を体験して
今回のハッカソンでは、AIコーディングに精通した先輩と同じチームになれたことで、非常に多くの学びがありました。
特に痛感したのは、「ゴールを見据えたプロンプト入力」と「ベースとなる技術的知見」の重要性です。プロンプトを入力する際には、完成形のイメージから必要な機能やデザインを逆算しプロンプトに反映させることが必要です。さらにKiroのようなAIツールを使う際でも、適切なライブラリの選定やアーキテクチャに関する知識があるからこそ、AIに対して解像度が高く具体的な指示を出し、エラーへの的確な対処をすることができると学びました。
また、AIコーディングのスピード感にも驚かされました。 私たちのチームはメインで解説放送支援アプリを開発していましたが、先輩方はその傍らで、テロップを生成できるアプリや細かい指示で画像編集ができるアプリ、さらには面白いゲームなど、なんと合計8つものアプリを作り上げていました。 技術力とAIの掛け合わせが、これほどまでに圧倒的な生産性を生み出すのかと驚かされました。最終的には全ての班がシステムを完成させた状態で発表を迎えることができ、どのシステムも非常に興味深いものばかりでした。AIコーディングによってわずか二日間という短期間でも実用的なアプリ作成ができるスピード感を改めて実感しました。
おわりに
私自身、今回のハッカソンを通じてシステム開発に対するハードルが大きく下がったように感じます。「こんなアプリで業務を改善したいな」と思ったときに、KiroなどのAIツールを活用すれば、開発に慣れていない自分でも一から形にできることを実感しました。
皆さんもぜひ、AIコーディングによるシステム開発を体験してみてください!


