はじめに

とあるプロジェクトにて、Microsoft 365からGoogle Workspace (GWS)へ、メールデータの移行を行いました。GWSが提供するデータ移行ツールを使用すれば、簡単に移行することができたので、今回はその手順について書きます。

GWSアカウント間のメールデータ移行については、こちらの記事を参考にして下さい。

全体の流れ

次のような流れで進めます。

では、それぞれについて詳しく見ていきます。

Step1: データ移行元のExchangeにて、偽装権限を付与

ここでは、偽装「ApplicationImpersonation」という権限をExchangeの管理者アカウントに紐づける必要があります。そのために、適当なロールを作成し、管理者に割り当てます。
偽装に関する詳しい説明

Exchange Admin Centerにて、「管理者の役割」から「役割グループ」を追加します。

名前は分かりやすいように、そのまま「ApplicationImpersonation」としておきます。
説明は自分が作ったロールであるということが分かれば、何でもOKです。
次に、「アクセス許可を追加」にて「ApplicationImpersonation」を選択して、追加します。

そして、作成したロールに管理者アカウントを割り当てます。
例えば、割り当てる管理者アカウントをhoge-admin.microsoft@sample.comとします。
このアカウントはStep2で使用します。

※ Microsoftの権限反映には時間がかかります。一定時間経過後にStep2へ進むことをお勧めします。（私の検証環境では反映に、30分ほどかかりました。）

Step2: GWSのデータ移行ツールを用いて、データ移行を実行

この操作は、GWSの特権管理者アカウントでのみ実行可能ですので注意してください。

[アカウント] > [データの移行]から、ツールにアクセスして下さい。

移行元は「Microsoft Office 365」 を選択します。

承認ボタンを押すと、Microsoftのログインが要求されますので、
Step1でロールに割り当てたhoge-admin.microsoft@sample.comでログインして下さい。

移行の開始日は、まずは「過去１ヶ月」のようなスモールスタートで試してみることをお勧めします。

「移行元のメールアドレス（Microsoft Exchange Online）」と「移行先のメールアドレス（GWS）」を入力して開始します。

Step3: データ移行先のGWSにて、データを確認

GWSのデータ移行ツールで、移行の進捗状況を確認できます。
ステータスが「完了」になれば、移行が完了した証拠です。

実際の移行先アカウントにログインして、メールの状態を見てみましょう。

Microsoftでついていたラベルがたくさん入っていますね。 適宜整理すれば良いでしょう。

移行ツールにてエラーが発生した際は、公式ドキュメントを参照して解決しましょう。
データ移行サービスのエラーコード
私は偽装権限周りでハマりました...。

最後に

いかがでしたか。
GWSのデータ移行ツールを使用することで、簡単にMicrosoft 365からGWSへメールデータの移行をすることができました。
最近は、メールもクラウドサービスを利用するのが主流になりました。オンプレにメールがあった時代に比べて、クラウド to クラウドであれば、簡単に移行できるようになりましたね。
本記事が、グループウェアの移行等で、頭を悩ませている方々のお役に立てれば幸いです。