Media over IP検証はじめました。


放送局がOAを行うための「スタジオサブ」や「テレビマスター」、「回線センター」などで扱う信号はこれまでSDI(Serial Digital Interface)が主流でしたが、ネットワーク機器の高速化やSMPTE規格の策定、映像・音声機器のIP対応を背景に、国内外問わず徐々にIPベースのものに移り変わりつつあります。MBSのシステム更新はすこし先ですが、将来を見据えて技術力アップを行う目的で先日、ネットワークスイッチやPTPグランドマスターなどの機材を購入して、Media over IPの検証をはじめました。

検証チームでの導入機材のチェック


到着した機材を検証チームで開梱します。仕事の合間を縫って、たくさんのメンバーが集まりました。ちなみにこの場所は、技術スタッフの事務フロアの一角に設けた研究開発のためのスペースです。
ネットワークスイッチやPTPグランドマスター、SDI/IPゲートウェイなどの機材が所狭しと並びます。
こちらは静音ラック。
事務フロアの一角ということもあり、起動時のファン音が大きなネットワークスイッチなどはこちらに実装します。
静音ラックには、上から順にこれらの機器を実装しています。
・PTPグランドマスター(Telestream SPG9000)  
・スパインスイッチ(Cisco Nexus 9336C-FX2)
・リーフスイッチ2台(Cisco Nexus 93180YC-FX3)   
機器の実装が完了したら、いよいよPTPグランドマスターやSDI/IPゲートウェイ、SDI/IPモニターを繋ぎ、ネットワークにSMPTE ST2110の信号やPTPを流して導入機器の動作チェックを行います。
アドレス設計やネットワークスイッチの設定を行う班と、PTPグランドマスターやSDI/IPゲートウェイなどの機器設定を行う班の2班に分かれて進めます。各自でスイッチのコンフィグレーションガイドや機器マニュアルを適宜調べながら、必要な設定を投入していきます。
こちらはSDI/IPモニタ PRISMの画面。従来のSDI波形モニター機能に加えて、SMPTE ST 2110やST2022-6、PTPなどの解析が可能です。
この日は開梱・実装から始まり、スイッチや機器設定に至るまで時間はかかりましたが、無事、SDI/IPゲートウェイからのSMPTE ST2110の信号をネットワークを介して、モニターでの確認までができました。スイッチのコンフィグや機器の設定など、やはり実機を触ってみないと分からないことが沢山あります。

今後はこのMedia over IPの検証機材を使って、基本的な技術を習得するためのハンズオンに加えて、PTPやIGMP・PIMなどのプロトコルやNMOSなど制御系の検証も行いながら、IPベースの放送システムに関するノウハウを蓄積していきます。

Next Post Previous Post