知識ゼロから始めるre:Invent 2024:セッション選びのコツからスケジュール作成【10月8日予約開始】

知識ゼロから始めるre:Invent 2024

はじめに

re:Inventとは

re:Inventとは、アメリカのラスベガスで開催されるAWS最大のラーニングカンファレンスです。2024年は12月2日から6日までの5日間のイベントで、AWSのクラウドサービスに関する技術的なセッションが数多く用意されています。参加者は自分の興味や仕事での活用可能性に基づいてセッションを選択し、主体的に学習できる機会が豊富なイベントとなっています。

私は昨年の2023年に初めてre:Inventに参加しました。ITの知識が浅い中での参加に加え、初めてのラスベガス、初めての海外ラーニングカンファレンスでした。そんな私が右往左往しながら過ごした経験を、昨年の私と同じように不安を抱えている人たちに少しでも伝え、イベントに臨む際の安心感につながればと思い、このブログを書いています。

過去に書いた記事はこちら

知識ゼロから始めるre:Invent 2024:会場間移動から食事まで、初心者でも安心準備ガイド

参加者にはこんなメールが…

セッション予約開始日を知らせる大切なメールが届きました。

自分にぴったりのre:Invent体験を作るチャンスです!10月8日の座席予約開始が勝負どころ!見逃さないで!

…みたいなことが書かれています。正直、筆者の私、このメールを見逃しそうになりました。危なかった…。

ここからは、ITの知識が浅い私の目線で、re:Inventのセッションについて見ていきたいと思います。

re:Inventのセッションタイプ

re:Inventは様々なセッションタイプで学びの場を提供しています。主要なものや気になっているものを簡単に紹介します。

Keynotes

Keynotesは、年間で最も重要なクラウドに関する発表が行われる場です。昨年はAmazon Qの発表など、注目を集める新機能の紹介がありました。広大な会場でCEOをはじめとする幹部陣がスポットライトを浴びながら、新機能や最新のサービスを発表します。

基調講演では、入り口で翻訳機器を借りることができるため、英語に不慣れな方でも内容を理解しやすくなっています。ただし、会場が満員になった場合は、別フロアでのモニター観覧となる可能性があります。モニター観覧では翻訳機器がなかったと思いますので、日本語でリアルタイムに最新情報をキャッチアップしたい方は、早めに会場に到着することをおすすめします。

また講演開始前には、ウォームアップとしてバンドによるライブパフォーマンスが行われます。この演出だけでも、re:Inventが世界規模のテクノロジーカンファレンスであることを実感させられます。
個人的には、臨場感が溢れるカメラワークをしている無人(リモート操作)のクレーンカメラに興味を惹かれました。クラウドとは少し離れる分野かもしれませんが、最先端のテクノロジーがイベントの撮影技術にも活用されている点が印象的でした。(写真で伝わるかな)

Breakout Sessions

ブレイクアウトセッションは、約1時間の講義形式で行われる専門的なセッションです。私は「NBCユニバーサルが切り拓く、次世代TVによるメディアの新時代」や「NYジャイアンツが描く、データが織りなすパーソナライズされたファン体験」などのセッションに参加しました。これらのセッションは非常に勉強になる内容で、自分の興味のある分野の知識を深める良い機会となりました。

ただ、ブレイクアウトセッションは実は後日AWSのYouTubeチャンネルにアーカイブとして公開されます。
とは言いつつも一部のセッションはアーカイブしないのかも?と不安になったので、私は興味のあるセッションに直接参加することを選びましたが、結果的に私が参加したセッションは全てアーカイブに残っていました。

なので、わざわざ渡米した価値を考えると、下記に紹介するライブでしか体験できないセッションに参加することが大事かなと個人的に感じました。ただ、ブレイクアウトセッション後に登壇者と直接議論や交流ができるチャンスのための現地参加は大きなメリットです。熱心な議論や情報交換を望む方にとっては、生のブレイクアウトセッションは非常に価値があると思います。

Chalk Talks

チョークトークは、ブレイクアウトセッションよりもさらに少人数を対象とした、インタラクティブなコンテンツ形式です。通常、10分強の短い講義から始まり、その後聴講者とのQ&A形式の対話に移行します。この形式により、より深い議論や情報交換が可能となります。

講演者は、ホワイトボードなどを使用して、リアルタイムで手書きのアーキテクチャ図やフローチャートを描きながら説明を進めます。この手法が、まさに「チョーク」トークという名称の由来となっています。実際に目の前で図解が作られていく様子を見ることで、複雑な概念や技術的な内容をより直感的に理解することができます。(特に英語に不慣れな私は図は理解する上の超重要な要素でした…)

チョークトークは、アーカイブが残りません。そのため、参加者にとってはその場限りの貴重な体験となります。ブレイクアウトセッションと比較すると、思った以上に割と小さい部屋でのセッションなので、人気のあるセッションはすぐ埋まりがちなので予約注意です。

Workshops

ワークショップは、re:Inventで提供される2時間のハンズオンセッションです。このセッションの構成は、最初の約10分間で対象となるシステムやサービスの簡単な紹介が行われ、その後参加者が自身のPCを使用して実際にハンズオン作業を行うという流れになっています。

私は昨年のre:Inventでは、このワークショップを中心に受講することを選びました。既に名前は知っているものの実際には使用したことがないサービスやツールについて、実践的に学ぶ機会として非常に有意義でした。

ワークショップの大きな利点は、理論と実践を直接結びつけられる点です。クラウド技術や関連サービスの実践的なスキルを短期間で効率よく習得したい方にとって、非常に価値のある学習機会だと感じました。

Builders Sessions

ビルダーズセッションは、re:Inventで提供される60分間の少人数グループセッションです。昨年、私はこのセッションを1つ受講しました。

セッションの基本構成は、6人程度の小グループに1人の講師がつき、ハンズオン形式で学習を進めていくというものです。講師はハンズオン作業中に適宜説明を加え、参加者の質問があればそれに答えます。

ちなみに私が参加したグループの講師は、アクティブな方で、セッション開始時に簡単な自己紹介を提案しました。拙い英語力の私にとっては、ここが緊張のピークでした。

Gamified Learning

re:Inventでは、楽しくインタラクティブな学習イベントも用意されています。例えば、AWSゲームデイやブートキャンプなどがあります。これらは、ゲーム感覚でAWSの技術を学べる機会です。

私自身は昨年、これらのイベントに参加する勇気が持てず参加しませんでした。今年は参加すべきか迷っているところです。「一緒に頑張ろう!」と声をかけてくれる仲間がいれば、挑戦する勇気が出るかもしれません。笑

昨年のAWS Jam Gamified Learningに参加した同僚のリポート

[日本語速報] AWS re:Invent 2023参加 Day2Q&3

re:Inventには、これら以外にも様々なセッションが用意されています。セッション以外にも、Expoやre:Playなど、楽しいイベントが目白押しです!

セッション予約開始

日本時間でAM2:00ごろに開始…

ということで見出しの通り、セッション予約は10月8日に始まると書いてあるのですが、調べると毎年、日本時間では10月9日の深夜2時ごろに開始されるみたいです。つまり、日本在住の参加者は、アメリカの参加者が万全の態勢で臨む朝の時間帯に、眠い目をこすりながら予約を争うことになります。

昨年、私は「まだ残っているだろう」という甘い考えで臨んだところ、興味のあったセッションはすべて埋まっていました。この経験から、今年は夜更かしをしてでも予約競争に参加してみようかなと思います。メールにも「理想的なスケジュールは早めに立てよう」と書かれていますし…!

ただ予約を取れなくても大丈夫

予約を取れなかったとしても、希望のセッションに参加できる可能性はまだあります。他の参加者が予約を変更したり取り消したりすると、空き枠が出ます。定期的にチェックすることで、これらの空き枠をキャッチできる可能性があります。

また、予約できなかったセッションでも、当日参加のチャンスがあります。セッション会場にはReserved(予約済み)の列の隣にWalk-upの列が設けられます。セッション開始10分前になると、予約枠がWalk-up列の人々に譲られます。そのため早めに会場に到着すれば、予約なしでも希望のセッションに参加できる可能性は高いんじゃないかなと思います。私が当日並んで参加しようと思ったけどできなかったのは1,2個だけだった気がします(それも10分前とかに会場に行ったからなので早めに行っておけば参加できたっぽい)

他にも、キーノートで発表があった新しいサービスや機能を使ったハンズオンなどは、イベント期間中に登場してきます。
興味があるものがあれば、これは世界最速で使えるチャンス!行くしかないのでは…!自分が予約したセッション以外にどのようなものがあるかはイベント期間中も要チェックです。

ということで、10月8日時点で希望のセッションの予約を取るのが理想的ですが、取れなかった場合でも諦める必要はありません。柔軟に対応し、情報収集していきながら様々な方法によって充実したre:Inventになるのではないでしょうか!

予約するときの注意事項

場所には気をつけて

とりあえず少しでも興味があるというセッションを片っ端から予約していこう!そしてスケジュールを埋めよう!っていうのをはじめに思う人が大半かもしれません。

ただそこでちょっとした落とし穴。スケジュールが埋まったとしても、セッションとセッションの間が例えば30分しかないといったとき、次のセッションが別の会場であったら間に合わない可能性が大です。VenetianからCaesars Forumの移動など隣の会場のときは間に合いますが、WynnからMandalay Bayなどは絶対的に無理です。なぜならその距離、JR大阪駅からなんばグランド花月くらいの距離だからです。そこを30分の中で辿り着かなければいけませんし、10分前には予約枠が解除され、Walk-up列の人たちが優先されていきます。

それを1日目に痛感し、会場を考えて無理な予約を外していった結果、事前に埋めていたスケジュールが結果的にそこまで意味がなくなりました。そこらへんご注意くださいませ。(ただそうなったとしてもExpo視察など盛りだくさんの時間埋めができるので全然大丈夫です)

まず事前にお気に入りを

予約当日になったときにすぐに第一希望や第二希望のセッションを予約できるように、事前に興味のあるセッションを「お気に入り」(ハートマーク)に登録しておくことをオススメします。このお気に入りは予約時に活躍するだけでなく、たしかre:Inventアプリ内のスケジュールにも表示されたと思いますので便利です。そうしておくことで、Keynoteで新機能・サービスが発表され、それに関連するワークショップが追加された時に人気セッションの予約枠が空く可能性があります。お気に入りを活用することで、素早く予約を変更できるチャンスが生まれます。

おわりに

とつらつらと書きましたが、ここまで言いながらも結局理想的なスケジュールは早めに立てようね! を全うしても、昨年のわたしのように予約開始時に乗り遅れた私でも、世界最大のAWSを学べる場は内容が盛りだくさんです。

なので過度に気負わず10月8日の予約開始の準備をしていきましょう。予約開始が始まるといよいよre:Inventというお祭りが始まるぞ…!って実感します。
この貴重な機会を最大限に活かすため、日本にいる間にできる限り様々なAWSシステムについて予習し、心の準備を整えていこうと思います。英語力は残り2ヶ月でなんとかなるんだろうか…。(反語)

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