Gemini for Google Workspace 今できること 2024年4月版

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先日ラスベガスにて開催された Google Cloud Next '24 において生成AIを軸とした新しいクラウド技術が紡ぎ出す世界に魅せられたのは記憶に新しいところです。(Google Cloud Next '24 の様子についてはMBSから参加した3人からのレポートを是非ご覧ください。 「【日本語速報】Google Cloud Next ’24 参加」Day1 | Day2 | Day3
さて今回は Google Cloud Next '24 でも多く取り上げられていた Google Workspace のための生成AIアドオンである Gemini for Google Workspace で今できることをまとめてみました。(2024年4月17日執筆時点)

Gemini for Google Workspace

Google Workspace の「AIアシスタント」アドオン。Gemini Business と Gemini Enterprise の2バージョンあり、Enterprise版はBusiness版の全ての機能に加えて、Meetの翻訳強化やQuotaの解除などより充実した環境になっています。私が利用できるのは Enterprise版ですが、まだGoogle Cloud Next '24 で紹介されていた機能の全てが利用できるわけではなく、実際には発展途上で今後少しずつそれらの機能が実装されていくというかたちになっています。それでは今時点で私の手元で利用できる機能を順に見ていきましょう。


Gemini

Enterprise-grade data protection

かつて「Bard」という名称で誕生した生成AIチャットbotです。(以下便宜的に「Geminiチャット」と表記します。)現時点では Gemini は日本語対応されておらず、Google Workspace の個人言語設定を英語にする必要あるのですが、Geminiチャットは日本語での受け答えも可能です。Geminiチャット自体はフリーのGmailアカウントでも利用できますが、いちばん大きな違いはプライバシー保護になります。メッセージ入力欄にシールドマークがあり、その下にも「Your MBS MEDIA HOLDINGS, INC. chats aren’t used to train our models. Gemini may display inaccurate info, including about people, so double-check its responses.」とあるように有料版のGeminiチャットでの会話履歴が学習に利用されることはありません。業務にもフル活用できますね。


Gmail

Help me write

メールの文章を提案してくれます。番組の企画書を書いたのに上司は読んでくれていないようです。催促してみましょう。

生成された文章は丁寧な表現に書き換えたり、より長い文章にしたり、短く簡潔にしたりすることもできます。


Document

Help me write

基本的にはGmail の Help me write と同じですね。中継実施計画書のひな形を作成してもらいましょう。かなりゆとりのあるスケジュールですね。おもしろいのはトーンを Formal や Casual に変えられるだけではなく、カスタムの自由な指定も可能なので「詩的に」或いは「メカオタクっぽく」みたいな表現も可能です。

Profread

校正の機能です。スペル、文法、言い回し、簡潔さ、文書の分割、能動態といった項目ごとに修正の提案をしてくれます。


Spreadsheet

Help me organize

管理表の作成などを自動化してくれます。公開収録の来場者確認チェックシートを作ってみましょう。もう少し詳細なシチュエーションを伝えるプロンプトを書けば、より実用的なシートを作成してくれそうですね。

Enhanced Smart Fill

より高度な自動補完の提案をしてくれます。残念ながら良い提案をしてもらえるサンプルデータを作成できなかったので公式からの引用です。

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Slides

Help me visualize

みんな大好き画像生成です。スライドに挿入したいちょっとした挿絵的な画像や背景画像の作成がとても楽になって資料作成が捗りますね。

Googleらしいと思えるのが、「人」を含む画像の生成はことごとくお断りされてしまうという点ですね。

Remove image background

画像の背景削除機能ですね。これまで Photoshop を開いて作業していた切り抜き作業が Slides だけで完結するの地味にありがたいです。


Meet

Generate background

背景画像の生成です。先日、とある打ち合わせのときに先方から「倉田さんはいつも背景がかっこいいですよね」とおっしゃっていただきました。ありがとう Gemini 。

画像は一部加工しています

Studio look / Studio light / Studio sound

画像や音声をよりクリアにし、照明効果でかなり良い感じの絵作りが可能です。でも頑張りすぎると、段々アニメ化画像のようになっていくのでやり過ぎ注意です。

Live translated captions in additional languages

かなり多くの言語間でのライブ翻訳字幕が可能になります。私の業務ではあっても英語ぐらいなものでなかなか他の言語まで利用する機会はないのですが、言葉の壁を気にせずにさまざまな国の放送エンジニアのIT事情について情報交換できる機会が持てると素敵ですね。

まとめ

Gemini for Google Workspace で今できることをまとめてきました。とても素敵な機能の数々ですが…

  • 正直、機能はまだまだ少ない
  • 日本語対応がまだ

と、これからに期待ですね。
ですが、モデルの学習に会話履歴を利用されないデータ保護されたGeminiチャットが利用できるという点だけでも、この Gemini for Google Workspace を導入する意義があるように感じました。(費用面でも ChatGPT Plus $20/月に対して、Gemini Business/Enterpriseがそれぞれ ¥2,260/¥3,400と十分検討の余地があると思います。)
現在、Google Cloud Next '24 で紹介されたようなキラキラの機能の一部は招待制の Workspace Labs で試験運用されています。これらの機能が一般リリースされるのが待ち遠しいですね。

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